2013年4月〜2018年3月まで裁判所事務官(一時期は検察審査会事務官も兼務)として勤務し、現在はライターをしているみさちゅーです。
勤務当時の情報にはなりますが、裁判所事務官志望の方・公務員試験を控えている方に向け、裁判所職員の内部事情や仕事内容などをご紹介しています。
今回は、裁判所事務官の初任地事情についてご紹介します。
裁判所事務官に内定したが、勤務地はいつ決まるのか?
4月入庁の私には、1月頃に勤務地打診の電話がありました
裁判所事務官には、4月入庁組・10月入庁組がいます。私は4月入庁組だったこともあり、1月頃に勤務地打診の電話がありました。
選択肢はひとつ(都道府県単位)だけで、その都道府県でも大きめの支部(提示されたのは1箇所)か地裁本庁に配属になるとのお話でした。
配属される都道府県を聞いたうえで、今回の内定を受けるかどうかの意向確認だったのだと思います。
勤務地として打診があったのは、勤務希望地調査票に記載していない都道府県
初任地となる勤務地の打診をいただいたのは、勤務希望地調査票には記入していない都道府県でした。
私の場合は了承させていただいたので、1月末には大きめの支部か地裁本庁のどちらに配属されるか電話がありました。
勤務希望地調査票に書いた希望が通るまでのハードルは高い
人事にはいなかったので、実際に裁判所に勤めた感覚でのお話になりますが、勤務希望地調査票に書いた希望が通るには、以下の段階が必要だと思われます。
1.希望の裁判所で退職者が出る ※ここ数年は、裁判所も大量退職期だといわれています。 2.周囲のサポート体制等も加味し、退職者が在籍していた席に新人を配置しても問題ないか検討する ※裁判所には数多くの部署がありますが、新人裁判所事務官の配属先は、事件部(民事部や刑事部)に限られていることが多いです。 3.裁判所事務官内定者の中から、誰を置くべきか検討する ※該当した場合に初めて初任地の希望が通ることになります。 |
なお、ご存知の方も多いでしょうが、裁判所のホームページにも、以下の記載があります。
採用庁については,本人の希望のほか,各裁判所の欠員状況なども考慮して決定されます。
希望を出して1年目でいきなり希望地に行けることはほぼなかった
欠員状況にもよりますが、割とハードルが高いので、残念ながら勤務希望地調査票に書いた希望が通ることは少ないと思っておいたほうが良いかもしれません。
実際に裁判所で働き始めてから、自分自身も希望を出しましたし、同期・先輩・後輩など多くの事務官が異動希望を出していました。
しかし、希望を出して1年目でいきなり希望地に行けることはほぼなかったです。
ほかの職員のジョブローテーション等の関係もあり、欠員が出る希望地に希望を出しても、異動希望者を欠員が出た場所の人員としてそのまま割り当てることは少ないようです。
ただ、これから採用面接を受ける方の勤務希望地調査票には、勤務を希望しない場所も書けますよね。私の場合、勤務を希望しない場所については考慮されていました。
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初任地となる勤務地が地元以外になることも
勤務地が地元以外になることは普通にあります。地元を第1希望にしていた私はもちろん、同期・先輩・後輩のほとんどは地元以外が初任地でした。
地元を希望していたのに通らなかったというのはよくある話です。
個人面接では、勤務希望地調査票で希望した理由も聞かれました
最終の個人面接では、勤務希望地調査票に関することも聞かれました。
具体的には、以下の2点です。
1.勤務希望地調査票に記載していた、第1~3希望の各エリアを希望する理由 第1~3希望として出していたのは地元から近い順だったので、可能であれば地元に残りたいため、地元から近い順に選定させていただいた旨をお話しました。 2.配属を希望しないエリアについて、そのエリアを希望しない理由 配属を希望しないエリアについては、同じ高裁管轄ではあるものの、地元から離れているためだとお伝えしました。 |
地元に残りたい理由として、親類の介護などが必要なのかと聞かれましたが、「特に必要はないけれど、地元に愛着があるため」だと答えた記憶があります。この程度の回答でも裁判所事務官として採用されました。
ただ、勤務地を希望する理由がなく、なんとなく記載していた場合は、面接までに答えを用意しておくとよいかもしれません。
僻地が地元なら初任地が僻地になることもある
裁判所に内定したものの、行ったことがない僻地に飛ばされるのではないかと不安な方もいらっしゃるでしょう。
ここまで、勤務希望地調査票に書いた希望は通りにくい・地元以外が初任地になった旨をお話ししてきましたが、僻地については別です。
私が知っている限りでは、僻地が地元の場合を除き、初任地は地裁本庁か大きめの支部が多かったです。
オンラインなので時間や場所に関係なく、学習を進められるのがポイント。働きながら裁判所事務官への転職を目指す場合にも合っているでしょう。
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入庁後のイメージを膨らませることで、受験勉強のモチベーションを上げたいときにも役立つでしょう。