2013年4月〜2018年3月まで裁判所事務官(一時期は検察審査会事務官も兼務)として勤務し、現在はライターをしているみさちゅーです。
勤務当時の情報にはなりますが、裁判所事務官志望の方・公務員試験を控えている方に向け、裁判所職員の内部事情や仕事内容などをご紹介しています。
裁判所事務官志望の方のなかには、実際に裁判所で働き始めたあとの自分を想像しながらモチベーションを維持している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、裁判所事務官のデスクについてご紹介します。
裁判所で働き始めたあとのイメージ作りに役立つと幸いです。
デスク本体について
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まずは、裁判所事務官が使うデスク本体についてご紹介します。
裁判所事務官が使うデスクは、お役所でよく見かける事務用のデスク。私が使っていたのはベージュを基調としたデザインでした。
これまでさまざまな方が使ってきているので、角やフチはかなり擦れており年季が入っていました。
デスクには透明で厚めのデスクマットも
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デスクには、透明なデスクマットが敷いてあります。
デスクマットの下には内線番号表や、高頻度で見直すメモなどを入れていました。
また、割と厚めなので、電話応対でメモをとったり手書きで書類を作成したりする場合にも便利でした。
裁判所事務官のデスクに置いてあるアイテム
左右上部のどちらかには電話を設置
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左右上部のいずれか取りやすい場所に電話が置いてあります。
内線・外線の切り替え機能や番号登録機能などがあり、よくやりとりをするところはあらかじめ登録されていました。
ちなみに、受話器はポンと乗せただけでは上がったままの状態と認識されてしまうので、ガチャっと言わせるまで押す?のがコツです。
\裁判所事務官が行う電話応対の仕事についてはこちら/
ノートパソコン・有線マウス・マウスパッドは必需品
ノートパソコン・有線マウス・マウスパッドは、1人1台貸与されます。
なぜ有線だったのかは分かりませんが、恐らく予算の関係でしょう。
なお、貸与のマウスパッドもあるものの、小さいので使いづらく、自分で買って持って行ってました。
自分好みのキーボードを持ち込んでいる方もいたので、ウイルス感染の恐れがないものについては、仕事道具の持ち込みは自由な印象でした。
\裁判所事務官のパソコンやITスキルについてはこちら/
よく使う執務マニュアルは手の届く場所に
デスクには、よく使う執務用のマニュアルも置いていました。
仕事の内容によって分冊されている場合は、よく使うもののみをデスク上、あまり使わないものはデスクの深い引き出しに入れていました。
執務マニュアルと一緒に開くことが多い「六法」もデスク上で保管
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有斐閣の判例六法Professionalも、デスク上で保管していました。
裁判所の事件部(民事部・刑事部など)では、基本的に根拠条文にのっとった仕事が求められるので、執務マニュアルと一緒に六法を開くこともあります。
\六法全書ではなく有斐閣の判例六法Professionalを使用している理由はこちらから/
【元裁判所事務官が詳しく紹介】裁判所事務官が愛用する、判例六法Professionalの魅力。六法全書との違いもチェック
裁判所事務官の仕事に欠かせない「ふせん」も常備
個人的に、裁判所事務官の仕事においてふせんは欠かせない存在だと思います。
電話で受けた内容の伝達は、ノートサイズのふせんで
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裁判所事務官時代に一番よく使っていたのは、少し大きめのノートサイズのふせんでした。
例えば、弁護士さんなど事件の関係者(裁判所内部では当事者といいます)から電話がかかってきた場合、簡易的なメモでよければふせんに書き込み、口頭での伝達+事件記録に貼り付けることで裁判所書記官へ引き継ぐことも。
また、裁判の日程調整の記録など、残しておきたいけれどしっかりと文章化・データ化する必要がないものも、ノートサイズのふせんに残していました。
情報量が少ないときには75×25mmサイズのふせんが活躍
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ノートサイズのふせんを使うほどの情報量が必要ない場合は、75×25mmサイズのふせんを使用。
事件記録を見やすくするため、サイズは分けていた記憶があります。
\裁判所事務官が作る事件記録についてはこちら/
旅費や日当などの決裁にはインデックスサイズのふせん
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資料を決裁に回すときには、インデックスサイズのふせんを使用していました。
証人や裁判員などの旅費・日当を会計課へ申請するのも、裁判所事務官の仕事です。旅費であれば、裁判所から目的地までの距離が分かる地図・請求書案などを作成し、決裁にかけます。
このとき、資料が複数枚にわたるため、どこにどの資料があるかわかりやすいように75×25mmサイズのふせんを使っていました。
ボールペンでは消えてしまうので、マッキーで書き込むのがポイントです。
デスクを構成するうえで気をつけていたこと
電話対応用のメモ帳とペンは電話の近くに置く
電話対応用のメモ帳やペンは、電話の近くに置いていました。
裁判所事務官は、係宛にかかってきた電話をとり、適宜担当者に伝達したり、つないだりするのも仕事。
当たり前ですが、電話は作業中に突然かかってきます。置き場所が決まっていなかったり、手に届きにくい場所に置いていたりするとメモがとれません。
事件を扱う部署にいる場合は、事件を特定したうえで案件を聞く必要がある
民事部・刑事部など、事件を扱う部署にいる場合は、事件番号や関係者の名前から事件を特定し、何の事件にかかわる電話なのかをまず把握する必要があります。
電話の内容自体はシンプルなものだったとしても、誰からの電話だったのかわからないと、担当書記官へ伝達できません。
電話をかけてきた相手も、裁判所に電話した=裁判所側には正確に伝わったと思っているので、書き漏れは許されないのです。
個人用印鑑と朱肉はデスクの右上に並べる
個人用印鑑や朱肉も、裁判所事務官が使う仕事道具のひとつ。
主に内部用の書類を作成したり、申請したりするときに使用します。
内部用の書類とはいえ、割と使用頻度が高いので、登庁後はデスクへ出していました。
\裁判所事務官が使う印鑑についてはこちら/